壷阪寺について
壷坂寺の魅力、寺宝や寺宝をご紹介
平成18年秋 落慶
澤市投身の谷の横に、江戸時代に建立された阿弥陀堂がありました。
宝暦元年(1751)に建立されたと寺の記録には記されております。本尊は阿弥陀仏が奉られたり、或いは時代によっては観音堂として、壷阪の伽藍の一翼を担った記録もあり、江戸時代から明治・大正時代の壷阪寺の主要な御堂であったことが解ります。
しかしながら、御堂の建立場所が山間の湿気にさらされる場所であることから、御堂の傷みは激しく、昭和40年代の初めには屋根の半分を取り替えるなど、様々な処置がなされてきました。
平成16年秋には抜本的解決策を見つけるため、試験的に屋根の構造調査等を行った結果、予想以上に酷く痛んでいることが判明しましたので、解体修理を行うと共に、平屋のお堂にしては、立派な大柱と先般参拝通路新設のため取り壊した回廊の部材を有効利用するため、二層目に阿弥陀堂にあった阿弥陀仏を奉り、初層には平成23年の澤市開眼350年を記念して創られる夫婦観音像のご分身を奉り、新しい御堂を「慈眼堂」としました。
堂内にはインド・ムンバイ在住の画家カーマット氏によるお釈迦様の佛伝図を揚げ、お釈迦様が説く「慈悲」を考えて頂き、思いやりの心を広く深くして頂きたいと思います。
建立の際は、古い木材・瓦も無駄にすることなく製材させて頂き、天井等は洗浄することにより往時の鮮やかさを復元しています。
江戸、昭和、平成の人々の手が時代を超えて合わさり、建立された御堂です。