壷阪寺について

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寺宝

坪坂観音縁起 奈良国立博物館寄託

坪坂観音縁起 奈良国立博物館寄託

坪坂観音縁起 奈良国立博物館寄託

 

 

紙本著色
縦36.6cm 長1546.5cm 
江戸時代 寛文2年(1662)
坪坂(壷阪)の観音菩薩の霊験の濫觴を記したという絵巻。寛文2年(1662)に制作された。
施主は東大寺清凉院の實海で、絵師は狩野信光、詞書は清水宗陳が担当した。
坪坂の村に住む姫君が、尊い聖の説法にでかけ、親孝行する者には仏神が感応すると聞いた。貧しくて父親の十三回忌に何もできないのを悲しんでいると、たまたま陸奥国の商人が15~16歳の女性を買いに来たので、進んで我が身を売り、そのお金で父親の菩提をとむらうことができた。母を残し、遠い陸奥国まで来た姫君は、15~16歳の女性が必要とされた理由を知る。
ここでは毎年、大蛇に人を供えなければならず、ある親が娘の身代りを求めていたのである。
決められた池の中嶋で待つと、やがて長さ30メートルもある大蛇が現れた。しかし姫君が御経を読むと、経典読誦と親孝行の功徳により、大蛇は成仏を確信して歓喜し、姫君を乗せて天に昇る。姫君は実は弁財天、大蛇は実は坪坂の観音菩薩であり、末世においても信心があれば二世安楽うたがいなしと結んでいる。(西山 厚)

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