壷阪寺について
壷坂寺の魅力、寺宝や縁起を紹介
木造・彩色・切金 像高50.7㎝
平安時代 12世紀
本像は髪を巻髪、左眼を半眼とし、口を斜めにかみしめ口角に上下に牙をあらわし、右手に剣、左手に羂索(現在亡失)をとる姿である。構造は、体幹部を一材から彫出し前後に割矧ぎ、頭部は割首とする。表面は彩色仕上げとするが、現状ではほとんど古色に覆われており、その下にわずかに切金の痕跡が認められる。目鼻立ちは小振りに上品にまとまり、両脚部を覆う裳の表現も薄手で、浅く柔らかな襞が特徴である。平安時代後期の典雅で繊細な作風がよくうかがえる。(礪波恵昭)